遭難

毎日必死に今の生活を保っても、仕舞いには何にも残らないという虚しさに拍車をかける年末年始の御目出度いムードが子供の頃から嫌いだ。
1年は365日だと勝手に思い込んでるけど、そもそも人生に日付けなどという区切りはなく、ただただ時間が止めどなく流れているだけで、カレンダーなんてものを勝手に作って、暮らしに目処を立てる為の都合の良い目盛りに過ぎない。
しかしそれがなければ、時間のうねりに漂う我々は、自分が今いる座標すら測定できないわけで。

毎日同じことの繰り返しなんて絶対嫌だと思って、自ら荒波に突っ込むような暮らしを送ってきたのに、いつのまにか夕凪の暮らしを望む様になっていた。
だけど一度航路を逸れたが為にボロボロになってしまったこの船では、穏やかな波でも沈没しかねない。
海図も羅針盤も与えられずに、人生という時間の海に放り出されてもうじき27年、未だにうまいこと舵が利かず半遭難中。
今年もなんとか沈没は免れたいので、面舵も取舵もいっぱいいっぱいで。